研究紹介(過去の研究)>4ロータヘリコプタ
4ロータヘリコプタ
近年、計算機技術及びセンシング技術の飛躍的な発展に伴い、無人小型航 空機の研究が盛んに行われています。中でも、ホバリングや垂直離着陸可能などの優れた飛行特性を持つ無人小型へリコプタは、レスキュー、空撮、農薬散布などの様々な分野で活躍し強い注目を浴びています。へリコプタには様々な種類が存在しますが、その中でも、構造が比較的シンプルであるという理由から4ロータ小型へリコプタの制御への関心が高まっています。これを背景として、我々は4ロータヘリコプタを制御対象に、完全自立・半自立化を目標として日々研究を行っています。一般にヘリコプタは強い非線形ダイナミクスを持ち、風などの外生外乱や機体パラメータの不確かさなどの影響を受けるため、操縦が非常に困難となります。そこで我々は外生外乱や機体パラメータの不確かさに対してロバストとなるよう、バックステッピング手法を基礎にSM(Sliding Mode)制御理論・I&I(Immersion&Invariance)適応制御理論などを併用した制御器を提案し、その有効性を数値シミュレーションによって確認しています。今後の課題としては実装による実験などが挙げられます
写真に示すように、4ロータ小型ヘリコプタの構造は、十字に固定されたフレームの先端にロータ(ブレード+アクチュエータ)が取り付けられているという単純なもので、左右ロータは時計方向、前後ロータは反時計方向に回転しています。運動は各ロータの回転数の操作のみで実現でき、上下運動は各ロータで発生する揚力の総和の変化、ロールイング運動及びピッチング運動は左右ロータ及び前後ロータで発生する揚力差、ヨーイング運動は前後左右ロータで発生する抗力差によって実現します。