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スキッドステア車両ロボットの自動制御

 スキッド(滑る)ステア(操舵)とは左右の車輪の回転差を操作し、左右輪で異なる駆動力を発生させて旋回するという旋回方式で、ローダーや雪上車等に用いられています。そして下の図はステアリングを用いた旋回と、スキッドステアを用いた旋回を表しています。
 図を見て分かるようにスキッドステア車両は最小旋回半径を持たない(その場旋回も可能である)ため、旋回スペースがない場所でも活動が出来るというのが利点です。本車両と同様に駆動力差を利用して旋回する車両としては、クローラ車両が挙げられますが、タイヤを装着している本車両はクローラ車両よりも高速で走行することが可能であり、また路面状況に合わせてタイヤを変更できる等の利点があります。以上の利点から、本車両は惑星探査や災害現場での探査活動を目的として研究・応用されています。

 この研究ではスキッドステア車両ロボットの自動制御をテーマとしています。現在取り組んでいる内容は、位置追従制御です。すなわち、与えた位置指令に対して車両ロボットが追従するための制御器を設計しています。用いている制御則はバックステッピング法や、Dynamic Surface Control(DSC)といった非線形制御則です。設計した制御器は数値シミュレーション(MATLAB)によってその有効性を検証しています。また、以下の写真のような実験機も製作しています。
 今後はこの実験機に設計した制御器を実装して実験を行い、数値シミュレーションの結果と比較して制御器の有効性を検証していきます。